【創業支援コラム】20151008 欠損金と青色申告 別冊 教えて税理士さんより

FMヨコハマの「教えて税理士さん」を2016年1月から3月の期間担当することになりました。

本日は、別冊「教えて税理士さん」にてお話させていただいた「欠損金と青色申告」について対話形式で進めていきたいと思います。

企業経営をしていくうえで存続の危機にもつながる「欠損金の繰越控除制度と青色申告制度」を創業・起業の段階で、しっかり認識してもらいたいために取り上げています。適正な帳簿組織を作り上げていくことは税務の要請にとどまらず企業維持にとっても大切なものだというように考えられるようになり健全経営を目指す起業家としてより社会貢献に寄与してもらいたいです。

 

Web版でも聞いてもらえれば何よりです。

http://www.tochizei.or.jp/voice/index06.html

2015.09.30 2-欠損金と青色申告

 

登場人物は2人ですすめていきます。

 

Director  以下 D:

Koike     以下 K:

 

D:

今回はどんなお話しですか?

K:

今回は、欠損金の繰越控除制度と青色申告について説明していきたいと思います。まず、欠損金の繰越控除制度について、お話していきます。

D:

欠損金…聞きなれない言葉ですが。

K:

例えば、売上が100万円。この売上作るための費用が150万円かかったとします。

売上から費用をひくと、50万円の赤字となります。この赤字のことを、税務上欠損金と呼びます。

D:

赤字のことを、税務上は欠損金というのですね。赤字が続くと、会社って、つぶれてしまうのではないでしょうか?

K:

そうです。すごく大切なことに気付いている質問です。

100万円の売上があり、150万円の費用がかかったとします。この状態で企業を維持するためには、50万円の追加資金が必要になります。不足分の50万円は、元手である資本金もしくは借入金で補わなければなりません。

つまり、50万円の資金がなかったら会社は維持できないことになるのです。

D:

赤字が何年も続くと、大変そうですね。ずっと、追加資金を調達し続けられなければ維持できないということですよね。

K:

赤字は、企業維持の上では、排除していかなければならない課題という認識を持たなければいけないと思います。

1期目に50万円の赤字になりました。それを補うために、50万円の借入をしました。1期目は、赤字なので、税金はかかりません。

2期目に50万円の利益が出ました。約40%が税金とすると20万円の税金がかかります。税金を払うと30万円残ることになります。

税金を払うと30万しかないため1期目に借りた50万円の借入金が20万円返せなくなってしまいます。

変な話だと思いませんか?

この会社は、1期目は50万円の赤字、2期目は50万円の利益。1期と2期を合わせると利益はゼロ何です。

1期と2期を合わせると利益はゼロということを成立させるためには、青色申告を行わないといけないのです。

D:

当たり前のことを行うために何か手続きをしないといけないことなのでしょうか?

K:

青色申告の申請を行い、帳簿をきちんとつけ、期限内申告を行うなら、青色申告の特典として、1期目に生じた赤字を2期目の利益と相殺してよい、いわゆる欠損金の繰越控除を行うことになります。

欠損金の繰越控除制度は、青色申告の特典といわれていますが、青色申告法人でない白色申告法人は借入金が返せないという事態になるのです。

企業の資金繰りを健全に行うためには青色申告を行わなければできないという認識を持ってほしいのです。

D:

欠損金の繰越控除という当たり前のことを行うためには青色申告をおこなっていなければならないということなのですね。

K:

帳簿書類をしっかりと記帳、保存していなければ、会社の状態もわからないし、資金管理も杜撰になれば会社の存続自体も危うくなると思います。

欠損金が生じたときに存続のために借りた借金をきちんと返してくためにも、欠損金の繰越控除制度がなければ成り立たないのです。

次に、この繰越ができる期間は、税務上は、永遠ではないのです。

D:

欠損金の繰越期間は、永遠ではないのですか。先ほどの借入金のお話を考慮すると永遠ではないと矛盾を感じるのですが。

K:

矛盾を感じないほうが、おかしいと思います。

以前は、5年間でしたが、7年、9年、平成29年には10年になります。

実際には、永遠という論議もないわけではなかったと思います。

青色申告を行う上で、帳簿書類の保存というものが義務づけられています。

繰越期間が5年間であれば、帳簿書類の保存期間も5年間で良かったのです。

これが、7年間になった場合に、7年間の保存期間となり、9年間であれば、9年間の保存期間、10年間だったら、10年間の保存期間となるわけです。

帳簿書類の保存の量は、大変なものです。10年になることも想定し、帳簿書類のデータ、スキャナ保存の申請も進んでいくものと思います。

永遠にするということができなかった理由だと思います。

D:

青色申告のための帳簿書類作成と保存、欠損金の繰越控除期間との関係も整理できてきました。

K:

次に、中小企業では関係ないですが、大手企業は、利益が出たときに今後は、利益の50%部分までしか欠損金の繰越が適用できなくなります。

D:

利益が出たときは、半分までしか欠損金の繰越控除ができなくなるということですね。10年たって切り捨てられてしまうことはないのでしょうか?

K:

大手企業というより上場企業は、極端な話ですが、何期も連続赤字だと上場廃止になる場合があります。しっかり利益を出し株主に還元していく体制、体質ができているので繰越期間を10年間にしておけば、切り捨てられる可能性は減ると思います。

D:

きっちり考えられて論理的に説明できるのですね。

K:

本当にそうだと思います。

最後に、先ほどお話しした青色申告の特典ということを補足します。

帳簿書類を適正に処理、保管をしているから欠損金の繰越控除が認められているのですが、

調査で帳簿書類が適正に処理、保管されていないとなれば、過年度にさかのぼって青色申告が取り消されることになります。

D:

特典の反対の言葉であるペナルティの予感がしてきました。

K:

その通りだと思います。

わかりにくいかもしれませんが

借金をして、それを返済するためにお金が外部に出ていきます。その出ていく分は費用にはなりませんが、過年度の欠損金の繰越控除ができるので費用と同等の効果があり税金を軽減できたものがなくなるということです。

乱暴な言い方ですが、過年度に借りた借入金部分を対象に税率がかけられ税金が発生することになります。

D:

会社存続の危機ですね。

K:

帳簿書類を適正に処理・保管することは、税務上の権利義務だけではなく、企業維持や経営の大切な要素であることにもつながるので、税務のためだけにと思わずやっていただきたいです。

D:

税務上の要請が健全な企業経営にリンクしているのですね。

K:

健全な企業が多くなれば、税収は増えることを狙っている部分もあると思います。

本日はありがとうございました。

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